西洋医学と東洋医学は、どちらも疾患の治療を目的としていますが、アプローチの方法が異なります。自分に合った治療方法を見つけるために、西洋医学と東洋医学の違いを知りたいという方もいらっしゃるでしょう。どちらも、得意なこと・不得意なことがあるため、症状に合わせて選ぶのがベターです。ここでは、西洋医学と東洋医学の違いや、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
1.西洋医学と東洋医学の違いとは?
西洋医学と東洋医学は、異なる歴史や文化、理論、アプローチを持つ医学システムです。
1-1.西洋医学と東洋医学の違い
西洋医学は、古代ギリシャの医学的伝統に基づいて発展し、現代医学の基盤となっています。西洋医学では、生物学や化学・生理学などの科学的原則を基にし、疾患の原因と治療法を探求します。
東洋医学は、中国・日本・韓国などアジアの伝統的な医学に根ざしたシステムです。東洋医学では、気や陰陽五行説などの独自の理論に基づいて、身体のバランスを重視し、病気の原因と治療法を理解しようとします。
1-2.西洋医学の特徴とメリット・デメリット
西洋医学は、症状にピンポイントで対処するという治療方法を取られるのが一般的です。頭痛の症状を和らげるために痛み止めを処方したり、下痢の症状があれば下痢止めを処方したりします。即効性のある治療が行え、結果が目に見えやすいのがメリットです。
また、検査の数値などエビデンスに基づき治療が行われ、検査結果や数値が正常化すれば治療は完了します。症状がぶり返した場合も、検査やエビデンスに基づき治療法が提案されます。検査に基づいた治療を行うため、数値に異常が現れない病気などは、治療を行えないのがデメリットです。西洋医学は、病気になる前の未病の治療は難しいとされています。
1-3.東洋医学の特徴とメリット・デメリット
東洋医学は、自然治癒力の向上を目的とした治療が基本です。頭痛の症状がある場合は、なぜ頭痛が起こるのかを四診によって診断します。四診とは、顔色や動作などで診断する望診や声や咳などの音で診断する聞診、痛みの状態や病歴から診断する問診、体に触って診断する切診の4つです。同じ頭痛であっても、体質などにより治療方法が異なると考えられています。そのため、このような診断が行われます。一人ひとりの体質や状態に合わせた治療が行われるのもメリットです。
しかし、東洋医学は自然治癒力を高める治療であるため、救急処置は不得意分野です。また、数値に頼らず、経験則で診断されるため、エビデンスを見つけにくい場合もあります。東洋医学は、未病の治療を得意としており、薬だけでなく食事や生活習慣にも重点をおいているのが特徴です。
2.東洋医学が注目される理由
近代医療は、西洋医学が基本となっていますが、近年は東洋医学への注目が高まっています。東洋医学が注目される理由としては、次の5つがあげられます。
2-1.未病のうちに治療できる
東洋医学が注目される理由は、未病のうちに治療できるからです。西洋医学では、数値に現れない病気は、原因不明として治療が難しくなります。一方、東洋医学は、体のバランスを整えることで、体調不良を根本から改善するため、病気として診断できない初期状態の病気を治療することが可能です。
生理痛や生理前症候群なども、未病として治療されます。病気になる前に治療できるため、身体を継続的に健康にしてくれる点から、注目が高まっているのでしょう。
2-2.総合的なアプローチ
心・精神のバランスを重視する総合的なアプローチである点も注目を集めています。症状だけでなく根本的な原因を探求し、体の内側からの治癒を促進します。そのため、複数の症状を同時に治療できるというメリットもあるのです。
2-3.自然療法と予防医学
自然療法や予防医学に重点をおいているのも注目される理由のひとつです。薬物療法だけでなく、食事や運動などの自然な方法を通じ、健康を維持できます。
2-4.個別化された治療
東洋医学では、個々の患者の状態や症状に合わせてカスタマイズされた治療法が提供されます。体質や気の流れに基づいて治療法が選択されるため、人によって異なるアプローチが取られるのです。
2-5.補完的な医療アプローチ
東洋医学は、西洋医学とは異なるアプローチを持つため、補完的な医療アプローチが可能です。とくに、慢性疾患やストレス関連の問題に対する補完的なアプローチとして重宝されています。
3.まとめ
西洋医学と東洋医学は、症状か体全体か、対処のアプローチ方法が異なるのです。西洋医学は、数値に現れる病気や緊急性がある疾患に向いています。一方、東洋医学は慢性的な疾患や未病の治療に向いています。ご自身の症状に合わせ、治療方法を選ぶと良いでしょう。
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