アトピーについて

でも、治らないとあきらめないでください。私の息子は漢方治療で、アトピー性皮膚炎を克服しました。あなたもきっと大丈夫！

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アトピー性皮膚炎の治療について

アトピー性皮膚炎は、若年層に多い皮膚の炎症です。20歳以下の人工の約5％が、このアトピー性皮膚炎に悩まされているといわれています。

アトピー性皮膚炎を引き起こす内的な原因

アトピー性皮膚炎は、内的な原因と、外的な原因により引き起こされると考えられています。ここではまず、内的な原因から説明していきます。

ストレス

ストレスにはさまざまなものがあります。アトピー性皮膚炎の症状自体がストレスになり、症状を悪化させてしまう場合や、周辺環境に端を発するストレスによりアトピー性皮膚炎を発症するなどのケースが考えられます。ストレスにより症状が悪化してしまう場合は、その要因を取り除くため、患者様を精神的に落ち着かせるための治療や指導が行われます。

免疫機能の異常

アトピー性皮膚炎は、免疫機能の異常、すなわちアレルギーです。本来は何も反応する必要がない状態であるにもかかわらず、免疫機能が誤って反応してしまっている状態です。アトピー性皮膚炎のほか、多くの人が悩まされている花粉症なども、この免疫機能の異常だと考えられています。 アトピー性皮膚炎の原因とされているのは「Ⅰ型アレルギー」と「Ⅳ型アレルギー」です。Ⅰ型はIgE抗体とアレルギーの原因物質が結びつくことで引き起こされるアレルギー反応。Ⅳ型は、T細胞と呼ばれるリンパ球の一種が関わって引き起こされるアレルギー反応です。 このような免疫機能の異常に対しては、西洋医学では抗アレルギー剤やステロイド剤などを使用して治療を行います。

皮膚のアレルギー反応

皮膚のアレルギー反応は、体を守る皮膚の防御機能が、何らかの原因で低下してしまい、アレルギーの原因物質が侵入してしまうことから起こります。皮膚の防御機能が先天的に弱い人もいますが、栄養不足や水分不足が原因で起こる場合もあります。 皮膚のアレルギー反応は、多くの場合、胃腸の働きが弱くなることで起こります。胃腸の働きが低下すると、必要な栄養素を吸収できなくなってしまうのです。

熱感

皮膚に何らかの炎症が起きると、炎症箇所が熱を持ち、この熱感がかゆみを感じさせる原因になります。皮膚科では、やはりステロイド剤などにより治療を行います。

アトピー性皮膚炎を引き起こす外的な原因

ここからは、アトピー性皮膚炎を引き起こす外的な原因についてご説明します。

食生活

食生活は、栄養に関わるため、異常があるとアトピー性皮膚炎の原因になります。摂取する食事だけではなく、不規則な食事も胃腸の働きに影響を与える可能性があるので、注意が必要です。アレルギーを引き起こすと考えられる食材を避けるとともに、食事を規則的にとるようにしましょう。

ハウスダストなど生活環境

生活環境にある何らかの要因により、アトピー性皮膚炎を発症してしまうことがあります。ダニや花粉、ホコリなどのハウスダスト、高温、湿り気、紫外線、暑さ、寒さなども生活環境にあるアトピー性皮膚炎の原因です。これを防ぐには、常に身の回りを清潔に保つこと、適切なスキンケアなどが重要になるでしょう。

疲れ

疲れは、「アトピー性皮膚炎を引き起こす内的な原因」でもご説明したストレスと同様のものと考えてもいいかもしれません。周辺の環境にストレスの源があり、これによりアトピー性皮膚炎の症状が悪化してしまうのです。この場合も疲れを取り除かないと症状を改善できないので、とにかく体を休ませることが大切です。

ウイルス

皮膚にウイルスが付着し、増殖することでかゆみを感じさせることがあります。皮膚を清潔に保つとともに、抗生物質などを使用して治療します。

アトピー性皮膚炎と漢方

症状を改善させるための主な漢方薬

漢方による治療では、「症状そのものを改善させるための治療」と「体質改善のための治療」という2つの考え方があります。まずは症状改善のための治療に使われる漢方薬についてご紹介します。

黄連解毒湯（おうれんげどくとう）

黄連解毒湯は、黄連、黄柏（おうばく）などがミックスされた漢方薬です。熱をとり、精神的にリラックスさせる効果があるとされています。アトピー性皮膚炎の治療でも、かゆみを取り除く際に、特によく使われる薬です。

白虎加人参湯（びゃっこかにんじんとう）

石膏や人参、甘草などにより構成される漢方薬です。体内の熱さを取り除き、喉の渇きを潤い、体力回復へと導く作用があります。アトピー性皮膚炎の治療では、主に熱感を取り除く目的で使用される薬です。

温清飲（うんせいいん）（びゃっこかにんじんとう）

温清飲は、黄連解毒湯に、芍薬（しゃくやく）や地黄（じおう）などを加えた漢方薬です。上半身の熱をとり、下半身を温める効果があります。アトピー性皮膚炎の中でも肌荒れがひどく乾燥し、激しいかゆみをともなう症状の治療に使われる薬です。

当帰飲子（とうきいんし）

芍薬や甘草、地黄などをミックスしたもので、皮膚の栄養状態を改善させる働きがあります。体質の弱い方や高齢者の方などで、皮膚科乾燥しがちでかゆみが発生している場合によく用いられる漢方薬です。

消風散（しょうふうさん）

消風散は、石膏、知母（ちも）、木通（あけび）、甘草、地黄などがミックスされた漢方薬で、湿熱を取り除く効果があります。暑い季節に悪化しやすい皮膚のかゆみの治療に用いられます。

体質改善のための主な漢方薬

ここからは、体質改善のための治療に使用される漢方薬についてご紹介します。

補中益気湯（ほちゅうえっきとう）

補中益気湯は、柴胡（さいこ）、升麻（しょうま）、人参、生姜などがミックスされた、体質改善を目的に使用される代表的な漢方薬です。胃腸の働きが弱っている場合や、そもそも体質が弱い場合などに使用されます。

人参湯（にんじんとう）

人参湯は、人参、甘草、乾姜（かんきょう）などがミックスされた、やはり弱った胃腸の働きの改善に使われる漢方薬です。

十全大補湯（じゅうぜんたいほとう）

十全大補湯は、芍薬、甘草、地黄、人参、桂皮などにより構成されていて、「血」と「気力」を補うための漢方薬だといわれています。アトピー性皮膚炎でも、体質改善を目的として使用されます。

八味地黄丸（はちみじおうがん）

八味地黄丸は、牡丹皮、地黄、桂皮などから構成される漢方薬です。胃腸は健康でも、頻尿などの異常があるアトピー性皮膚炎の患者さんに使用されます。

小建中湯（しょうけんちゅうとう）

小建中湯は、甘草、生姜、桂皮などで構成され、虚弱体質の子どもの体質改善を目的として使われることの多い漢方薬です。甘く、子どもでも服用しやすいよう作られています。

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の疾患に対しては、通常の西洋医学による治療のほか、漢方による治療が並行して行われることが多くあります。

アトピー性皮膚炎・2つの病態

アトピー性皮膚炎を漢方的に解釈

アトピー性皮膚炎の治療法は、すでに通常の西洋医学においてほぼ確立されています。ただ、これはすべての患者さんの症状を癒やせるものではないことも確かです。そこでご紹介したいのが漢方です。

先天的要因と後天的要因

ストレス要因

漢方では、精神面の疲労を7つに分けて解釈します。「怒、喜、憂、思、驚、悲、恐」という7つの感情です。このような状態が続くことで、パワーの巡りが悪くなってしまうため、この流れを正常に戻すために心身の緊張を和らげるような治療を行います。

皮膚の炎症や熱感

漢方には、肌に表れる症状についても独特な考え方があります。 「湿熱」は、本来はあるべきではない場所にある水分のことで、これが湿疹などのトラブルの原因だと考えます。漢方では、この湿熱を利尿作用や発汗作用を利用することで排出させるという考え方で治療を進めます。 「虚熱」は、湿熱とは逆に水分や栄養が不足することによる熱症状を意味します。水分が不足するため、ひどくなると肌がひどく乾燥します。そのため虚熱に対しては、熱を取り除きながら水分を補給するという考え方で治療を進めます。 「陽虚発熱」は、体力（エネルギー）が不足することで起こる炎症を意味します。本来、エネルギーは体の内側にあるべきものですが、これが皮膚に表れるということは、エネルギーの無駄な消費になると漢方では考えます。そのため陽虚発熱に対しては、エネルギーのめぐりを良くし、エネルギーの場所を入れ替えるような考え方で治療を進めます。

外的要因

漢方では、体の内側に問題があると、外側からの影響を受けやすくなると考えます。これは免疫力の低下により、さまざまな外的要因の影響を受けやすくなり体調を崩すこと、といってもいいでしょう。 外からの影響にはさまざまなものがあります。暑さ寒さ、湿気などの気候による影響、紫外線や汗、花粉やダニなど、数え上げたらキリがありません。これら、数多くある外的要因のそれぞれに対し、漢方では適切に対処します。 食に関しては「飲食不節」という考え方があります。食事が正しく行われないと、体に必要な栄養が行き渡りません。このような状態になると、ストレスになるので、今度はこのストレスへの対処も必要になります。そのため、このような飲食不節に対しては、症状に応じて漢方薬による治療を行います。 漢方ではすべての治療において、外的要因に対しては、内的要因の治療をしながら、外的要因の治療をしていきます。外に見えている症状とともに、見えない要因を治療していくことで健康な状態に近づけていくことが、漢方治療のベーシックだといえるでしょう。

皮膚に表れる症状は内臓も映す

外的要因に対しては内的要因の治療も進める。これは「皮膚に表れる症状は内臓も映す」と言い換えられるでしょう。皮膚に表れている症状は、内臓の状態を表しているという考え方です。実はそのほかに、「皮膚は心の窓」という言葉もあります。これは同じように、心の痛みやストレスが体の外側に表れることを意味しています。私たちは、転職などで環境が変わると、知らず知らずのうちにプレッシャーを感じ、ストレスから体調を崩すことがあります。皮膚に湿疹ができた際、思い起こせば「精神的に疲れていたな」ということも多いのではないでしょうか。 先ほども触れましたが、内臓といえば食事です。アトピー性皮膚炎の症状は、アルコールの大量摂取や、脂っこい食事などにより悪化する場合があります。漢方の考え方だと、これらは無駄なエネルギーとして、本来あるべきではない場所に留まり、症状を悪化させる可能性があります。

西洋医学との違い

症状軽減のための養生

ここまでの話で勘がいい方はおわかりかと思いますが、漢方の考え方は、西洋医学での治療を補完する治療として最適だと思いませんか？漢方は、すでにお話ししたように、体の内と外を一体と考えて治療を行います。体質が弱い方の場合は、体質を強化しながら外側に表れたアトピー性皮膚炎の症状を治していきます。

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